「有の川 純米酒」(有賀酒造 白河市)

今月の日本酒「有の川 純米酒」(有賀酒造 白河市)
コンセプトは「The いなかざけ」

sake_2013jul

蔵に入って1年目の時に前年度の「有の川 純米酒」を飲んで「いなかざけだなあ」と感じたんです。流行のスッキリとした味でもなく、甘い香りがたつわけで もない。どこか田舎の懐かしさとともに、ゆったりとした宴の時間を造り出すお酒だなと。
その時から「有の川 純米酒」のコンセプトは「The いなかざけ」になりました。
このお酒は私が杜氏になったあと、唯一、造り方を変えなかったお酒です。前杜氏である社長や大先輩の蔵人から教 わった仕込み方法をそのまま実践しました。
酒米を手でつぶした時の硬さで吸水の度合いを確認したり、麹を造るときも香りと味のみで仕上げのタイミングを決めたりなど、昔ながら の勘と経験に頼った酒造りは、衝撃的でしたが(笑)。
でもそこはさすが長年の酒造りに携わってきた職人たちの技です。経験の大切さを知った瞬間でした。
出来上がったお酒は、お米の旨味がしっかりしたやや辛口の酒。
味の濃い料理や、脂ののった料理との相性が抜群で、冷やして飲むのがおススメのお酒です。
さらにおススメの飲み方が、日本酒ハイボール。 「有の川 純米酒」をベースに炭酸水と氷を少々いれます。そこに ライムやレモンをキュッとしぼれば、暑い夏にぴったりの低アルコールでスッキリおいしい日本酒ハイボールの出来上がりです。
少し日本酒が苦手な女性や若い方にも飲んでいただきたいですね。 「有の川 純米酒」は、いつまでも変わらない白河市東地区の味として、そしてその地区の文化を支える脇役として、ずっと造り続けたいと考えています。
日本人の遺伝子を刺激し、田舎の原風景を思い出させるような「The いなかざけ」を残していくことが、私たちの世代の役割であると 自覚し、これからも酒造りに励んでいきたいと思っています。

有賀醸造 『虎マッコリ』の蔵元 常務兼杜氏 有賀裕二郎

・使用酒米 福島県産チヨニシキ
・精米歩合 70% 
・使用酵母 明利酵母
・アルコール度数 15度
・容器容量 1.8L  720ml

有賀醸造HP