「大吟醸 陣屋」(有賀酒造 白河市)

今月の日本酒 「大吟醸 陣屋」 (有賀酒造 白河市)
「大吟醸 陣屋」のコンセプトは「料理にあう大吟醸」。

sake_2013jun

私が杜氏になってから、初めて経験した本格的な仕込みで挑戦したお酒です。 私自身、飲み会などでお酒を飲む際 に、香りの高い酒や甘さのある酒は1口目は美味しいのに、2口目はどうもぱっとしない・・・・・・。
そう感じることが多く、これって料理とともに楽しむお酒としては何か足りないんじゃないか? 
そう思っていたことがきっかけで造ったお酒でした。 お酒は料理をひきたて、料理はお酒をひきたてる―――。
この根本が守れる酒、そして10年後も変わらずに愛される酒を造りたいと思って出来たのが、この「大吟醸 陣屋」です。
陣屋を初めて仕込んだのは、私が蔵に入って2年目の冬。正直、酒造りの腕も知識もまだまだ未熟ななか、理想の酒を造りたいという気持 ちと勢いで仕込みました。
特にこだわったのは酸と香りです。香りは程よく、そしてスッキリとした酸が味を支える。口に含んだときは辛口の白ワインのようでいて、後味は甘く、やっぱ り日本酒だと思わせる。こうしたイメージをもって造りました。
初めての仕込みでは、正直、思い描いていた理想の味にはあと一歩足りなかった気がします。それでも今出来る最高のものは出来たと胸を 張ってお出し出来る酒です。
いまは来年度の仕込みへ向けて、ただ勉強あるのみ。 近い将来に必ず、私が思い描いた理想の味を皆さんに味わって頂きたいと思っています。
毎年成長する陣屋の味を是非楽しみにしていて下さいね。
      有賀醸造 『虎マッコリ』の蔵元 常務兼杜氏 有賀裕二郎

陣屋の名の由来 

有賀醸造のある白河市東地区は、江戸時代末期、越後高田藩の飛び領であり、そこを統治する釜子陣屋が造り蔵のすぐ裏手にありました。そ して、当時の大名によって酒造りの命を受けたことから、有賀醸造の酒造りの歴史が始まったといわれています。この陣屋という名は、有賀醸造やこの地域の歴 史を感じさせる名前 です。

・使用酒米 「夢の香」(白河市東産)
・精米歩合 45% 
・使用酵母 M310
・アルコール度数 16度
・容器容量 1.8L  720ml

有賀醸造HP