第9回 〜農林水産業の復興なくして、 福島県の復興なし〜 福島県農林水産部 農産物流通課 主査 鈴木 史子さん

福島の魅力といえば、その美しい自然はもちろん、そこで育まれる米や野菜、そして「くだもの王国」と呼ばれるほど美味しい果物たち!  今回は、県内外における県産農産物の消費拡大に向け、さまざまな取り組みを展開している、県の農林水産部の農産物流通課の主査・鈴木史子さんにお話を伺 います。

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Q. 震災の時はどのような仕事をしていましたか。 そのなかで思い出深い出来事はありましたか? それはどんなことでしたか?
A. 農産物流通課にことし(平成24年)4月に来るまでは土木部に所属していたので、ハード面での災害復旧復興に係る必要物資の手配や経理を担当していまし た。土木部は、災害復旧復興の担当部署だったので、多忙で、まさに戦場のような混乱と緊張の毎日でした。そんななかだからこそ、助け合うことの大切さに改 めて気づき、人の思いやりに深く感謝しました。また、所属していた建物1棟が被災し使用不能になり、事務所ごと全職員移転しなければならなかったため、さ らに大変でしたが、多くのことを学ぶことができました。

Q. いま、福島の農林水産物をめぐる状況はどのようになっていますか?
A. 原発事故のあと、福島県の農林水産物は、摂取制限や出荷制限を余儀なくされているだけでなく、風評被害のために売れゆきが悪くなるなど、とても深刻な状況 にあります。ですが一方で、多くの野菜や畜産物はいま、県が行っている放射性物質のモニタリング検査で安全性が確認されたうえで出荷されているほか、国に よる出荷制限などの解除方針も示されています。徐々にではありますが今後、県産農林水産物の流通量は、増えていくことが予想されます。

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Q. 農産物流通課ではいま、どのような取り組みをされているのですか?
A. 農家のみなさまが愛情込めて作った農産物を、多くの方に食べていただけるよう色々な事業を展開しています。
その中の一つ「がんばろう ふくしま!応援店」事業では、県内外の飲食店に「応援店」として登録していただき、福島県で作成した「のぼり」などを店先に掲 示してもらっています。この「応援店」を軸に、消費者の皆さんに対して県産農林水産物や、それを原材料とする加工品について、安全性に関する正確な情報を 発信したり、その魅力を広くPRしたりしていくことで、風評被害を払拭したい、そして、多くの皆さんに県産農林水産物を買ったり、味わってもらいたいと 思っています。

Q. 今回、「ふくごはん」のメンバーである料理家・本田よう一が、「消費拡大一斉キャンペーン」で使われるリーフレットに、レシピを提供させて頂きました。 キャンペーンの狙いや、皆さんがそこにかけている思いを教えて下さい。
A. まさに、「農林水産業の復興なくして、福島の復興なし。」それが、私たちの強い思いです。
先ほども少し話しましたが、原発事故によって福島県の葉物野菜は摂取制限や出荷制限を余儀なくされただけでなく、その後も風評被害などによって、生産者の 皆さんにとっては深刻な状況が続きました。一方で、ネギやキュウリ、トマト、それにイチゴやハウス栽培のきのこなど、葉物野菜以外は安全性が確認され、安 心して食べることができることも分かっていました。
多くの人に、福島の農林水産物を美味しく味わってもらうにはどうしたらいいのか? 県では震災後、皆さんに県産野菜の安全安心を広くPRするとともに、風 評被害の防止に努めようと、「がんばろう ふくしま!運動」を始めました。この運動には、生産者団体や流通関係者、それに市場関係者や消費関係団体など、 食と農に関わるありとあらゆる人たちが力を結集して、さまざまな取り組みを行っています。
なかでも重要なのは、「地産地消運動」だと考えました。県産農産物への風評被害を払拭するためには、まずは県民の皆さまに美味しさや安全性を再認識してい ただき、県内消費を増やしていくことが大きなカギとなってきます。このため、県内の量販店や農産物直売所において、独自のリーフレットを配ったりして、野 菜や果物の消費拡大を呼びかけています。それが「消費拡大一斉キャンペーン」です。

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Q. 今回のキャンペーンは、今後、どのように展開していくのでしょうか?
A. 平成24年度は4回実施することになっていて、今後予定されているのは、「秋」にあわせた8/31~9/1と、「米」のシーズンにあわせた 10/19~10/20の2回です。

Q. 今後、農産物流通課では、どんなことに取り組みたいと思っていますか?
A. 地元でとれた新鮮な野菜や果物を食べて、福島をもっともっと元気に!そんな思いを胸に、さまざまな取り組みを行っていきたいと思っています。

Q. 仕事をしていくうえでの史子さんなりの「こだわり」はありますか。
A. 生かされていることへの、周りの全てへの「感謝」を忘れないこと。

Q. 史子さんと農業のつながりは、仕事以外の場面でも何かありますか? また、史子さんにとって、農業とは、毎日のなかでどんな存在だと思いますか。
A. 実家で、自分で食べる程度の田畑をやっていたので、幼い頃から農業に親しんできました。そうしたなかで、農業の厳しさや素晴らしさを、少し体験してきたよ うに思います。大人になってからは、ベランダでミニトマトやオオバを育てたりしました。収穫できる喜び、採れたてを頂く喜びを改めて感じました。

Q. 「ふくしまの食」と聞いて、どんなことが頭に浮かびますか。
A.くだもの王国。米どころ。たくさんの新鮮で美味しい野菜! とれたて新鮮で豊富な海の幸!

Q. 震災の後で、何か農業に関わることで、思い出深い出来事はありましたか?
A. 県内各地、毎年豊かに実る田畑で、作物が少ししか作られなかったため、多くの荒れた田畑を見て悲しい気持ちになったことを覚えています。

Q. このコラムを読んでくださる、県内外の人たちへの、一言をお願い致します!
A. 「ふくしま」へのあたたかいご支援に深く感謝申し上げます。 今後も皆様のあたたかい応援よろしくお願いいたします!

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