第3回 〜たのしい、おいしいを届ける〜 ブロッコリー農家 須藤愛美さん (白河市東地区)
会津白河高原vege倶楽部として活動し、南会津町下郷地区と 白河市東地区に農地を持つ。近隣の休耕地も積極的に利用している。
Q. 須藤さんにとって農業とは。
A. なくてはならないもの。
農業がなければ、人間は生きていけないでしょう。それくらい大切なものだと思います。
仕事は大変、休みもない、日焼けで真っ黒にな る。でも、自分で作ったものを食べたときの感動は、農業をやってみないとわからない。
みんなで食べるご飯のおいしさ、その笑顔のもとが農業です。
Q. ブロッコリー作りをする上での、こだわりを教えてください。
A. 養豚の経験があるので、有機質肥料は自社のものを使っています。
農薬は、農協などの設定の最小の値で作物を作っています。
農地は、南会津の下郷地区 と、白河市の東地区に農地があります。
下郷地区と東地区では標高差があるので、それを利用して出荷時期の調整でしていますが、温度と水の管理にはとても神 経を使います。管理、水の管理にはとても神経を使いますね。
一番のこだわりといえば、私の愛情かな。
Q. 「ふくしまの食」のなかで、白河産の野菜の特色は?
A. 肉、魚に果物、海も山もあり、福島は食の宝庫ですね。
私がブロッコリーを作っている白河の東地区は、もともと土壌に恵まれたところで、良い作物ができます。
とくに春のブロッコリーは、白河では約140haの 作付けがあり、この季節の主力野菜といえます。
Q. 今回提供してくださったブロッコリーへのこだわりは?
A. 白河の春ブロッコリーは、路地物です。茎がしまっていて、とっても甘くて、茎までおいしく食べられます。
エコファーマー認定も受けております。
鮮度を保つ ため、注文を受けたら氷を詰めて送るようにしています。
出荷時期は、5月から7月までですが、6種類くらいの品種を時期によって作り分けています。ブロッ コリーの産地は、季節とともに北海道あたりまで北上していくのですが、品種を変えて出荷時期をずらすことで、価格を下げないように努めてもいます。
Q.「ふくごはん」プロジェクトは、震災と原発事故をきっかけに、改めて福島の食の魅力を伝えたいと始ま りました。須藤さんにも、震災や原発事故の影響はありましたか?
A. 以前は、大手メーカーとの契約で、じゃがいもやトマトを作付けしていたのですが、原発事故後に一度キャンセルになり、それまで準備していたものの出荷が保 留になってしまいました。線量検査などが徹底されるようになって、改めて作付けしましたが、植えるのが遅れると収穫に1週間の遅れが出ます。さらに、収穫 時期がずれることで生産量も3分の1に落ちました。
年間に30品目の野菜を作っていたのですが、そのすべてに影響が出ました。
加工品も作っているのです が、その原料の高菜も、原発事故のあとに出荷制限がかかり、結局昨年は作ることができませんでした。その痛手も大きかったのですが、今年はリベンジしま す。
風評被害はまだ続くでしょうし、野菜の売値も以前の半分くらいになってしまっています。けれども、私たちも食べていかなくてはならないし、良い野菜を 作ればけっして売れないわけではないと思っています。
Q. 震災の後、農業に関して、何か思い出深い出来事はありましたか。
A. 私は農業を始めてまだ3年ですが、「分けとく山」(東京・西麻布、懐石料理)の料理長、野崎洋光さんや「アル・ケッチァーノ」(山形・鶴岡、イタリアン) のシェフ、奥田政行さんなど、イベントを通してさまざまな方と知り合い、多くの刺激を受けました。
Facebookなど、ソーシャルネットワークでのつながりも増えて、福島を応援してくださる人の輪がどんどん大きくなっています。これからは生産者と消 費者、お互いの「顔が見える関係」を大切にしたい。福島の食の魅力を発信していく農家として、この仕事を続けていきたいと思っています。
Q. 最後にひと言。
A. 一度福島の野菜を口にしていただく機会を自ら作るためにイベント【白河スマートBBQ】という事業を進めています。10月白河で大規模のBBQイベントを で主催で計画中です。 地元の活性のため小さいながらも、活動的にがんばっています。 どうぞよろしくお願いします。
<ブロッコリーが購入できるサイト・BBQについてもこちらから>
◇会津白河高原 vege倶楽部
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