「瑞祥(本醸造)」
今月の日本酒 「瑞祥(本醸造)」
本田) さて脇さん、今回のお酒は「瑞祥」ですね。どんなお酒なんでしょうか?
脇坂) 瑞祥は、昔から地元で愛されているお酒なんですよ。
本田) 僕も飲んだときに、すっと自然になじむような感じがありま した! なぜだろうって?思っていたんです。僕も花泉色に染まってきたのかしら(笑)なぜ、昔から愛されているのですか?
脇坂) 昔は今の様にたくさん種類はなく、花泉といえばこの瑞祥だったん ですよ。
本田) なるほど、いちばん、クラシックな酒だったんですねー。他の花泉 とは、どんな違いがありますか?
脇坂) 長年、地域に愛されてきたということは、南会津の気候・食文化に 一番合った「地酒」という点ではないでしょうか。
本田) 地酒、いい響きですよね。飲み口は優しく、口に含むと豊かな香 り。喉ごしはキリリとしていて、懐の深い酒だなぁと感じました。
脇坂) 花泉は、昔からまろやかな味わいで、角がない酒だと言われています。ここに住みながら酒を仕込む、そんな南郷の人たちの温厚な人柄がこういう地酒を作らせ たのかもしれません。あと、この地域は今も一升瓶をたてて飲む文化なんです。 なので、食中酒として、一升飲んでも飲み飽きしないお酒を目指してます。
本田) 温厚な人柄を表した味わい、うまいこといいますねえー。一升瓶を 立てて飲む!うちの父親を思い出しますね。一升瓶だとまた、印象が違いますよね。四合瓶とは。一升を数日に分けて飲んでいるうちに空気に触れて味わいも変 わりますしね。まあ、みんなで飲んじゃうとあっと言う間でしょうけど(苦笑)
脇坂) そうですね(笑)花泉は、冬、雪が深くお酒が手に入らない。なら ば自分たちの飲むお酒は自分たちで造ろう!というのが始まりです。名前も、蔵の裏山に咲く、ひめさゆりから、花を、仕込み水に使用している高清水から水を と、昔から地域と密接に関わってるんですよ。なので、南郷で飲む「瑞祥」は最高です(笑)
本田) うわーっ。いいですね。南郷で瑞祥! 南郷で飲みたくなる酒がま た、ひとつ! 花泉という名前の由来もわかったところで、瑞祥の名前の由来はなんですか?
脇坂) 瑞祥とは「良いことがある前兆」を意味するめでたい言葉です。日本酒の銘柄にはよくこういっためでたい言葉が使われます。同じ名前の酒蔵・商品名がたまに あります が、この部分が違うわけです。花泉の商標は「瑞祥 花泉」になります。瑞祥は商品名では実はないんですが、花泉のもう一つの本醸造と区別するために「瑞 祥」と呼んでいます。
本田) 良いことがある前兆。縁起がいい酒なのですね。毎日、少しずつ飲 むと、その先に少しずつ、いいことがある。毎日と生活と一緒に過ごす日本酒ですね。いいなぁ。さて、脇さん、このお酒のおすすめの飲み方は?
脇坂) 正直なんでもありです(笑) ただ、雪深い南郷のお酒ですしこれ からの季節を考えるとぬる燗ですかね。
本田) なんでもあり、さすが懐の深い酒ってことですか(笑) ぬる燗い いですね?。レシピの方にも毎月、少し ずつ、この飲み方がいいなぁという飲み方を料理の後ろにグラスや酒器、鋳物だったりといろいろと提案していて。ぬる燗も少し違った飲み方を4週目に提案し ているのでぜひにお楽しみ。
・麹米 喜多方産「五百万石」
・掛け米 南会津舘岩産「タカネミノリ」
・四段米 南会津産「ヒメノモチ」
・酵母 「協会701」
・アルコール度数 15度