「本醸造辛口 一回火入れ」
今月の日本酒 「本醸造辛口 一回火入れ」
本田) 脇さん、こんにちは! さて7月のお酒は、「本醸造辛口 一回火入れ」ですね。・・・と、今回はお酒の内容の前に、まずは瓶から聞きたいんです (笑)。水色でさわやかな色、すごいキレイですよね。脇さん、これはもしかして、本醸造辛口 一回火入れの味をイメージしているのでしょうか?
脇坂) そうなんです。これからの季節に、さわやかな味を楽しんでもらい たいので、全体的に涼やかなイメージの瓶にしてみたんですよ。
本田) 口当たりもすごく、さわやかなお酒ですよね? そのために要冷蔵 なのでしょうか?
脇坂) いいとこついてきますね(笑) なぜ要冷蔵なのか?
実は本醸造辛口と今回のお酒をを比較すると、辛口には「要冷蔵」とは書いていません。 ふつうお酒は、“貯蔵する時”と“瓶詰めする時”の二回の火入れ (低温殺菌)を行って酵母などを死滅させます。それによって、貯蔵・出荷後の味の変化をなるべく少なくしているんですが、その反面、風味が変化してしまう 事にも繋がるんです。
風味の変化を少なくするために、火入れ回数を一回少なくしたのが「一回火入れ」=今回のお酒なんです。
でも、こちらにも欠点があります。それは味が変化しやすいということ。その為に低温で管理することが必要になったわけです。
よく勘違いされる方がいるのですが、「要冷蔵」は、冷蔵で「管理してください」と言うことで、「冷酒で飲んでください」という意味ではないんですよ。常温 でも燗をつけてもいいんです。
本田) おお、てっきり冷酒で飲むんだと思っていました!!!とはいえ、 「さわやか→要冷蔵」ってとこまではいいとこついていました? 僕もだんだん、お酒の勘が働くようになってきたかもしれません(笑)
今回僕は、このお酒を冷たい状態で飲んだんですが、さわやかな印象から一気に、口の中の温度に触れるとメロンのような濃厚な香りがふくらんで、でも最後は 辛口のスッキリとした印象でした。 通常のお酒が二回火入れだってことも知りませんでした・・・、勉強になります。
ところで、「一回火入れ」にしたのは、どんな狙いからなんですか?
脇坂) お酒は冷たくすると味はもちろん、香りも少なく感じてしまいま す。ですが火入れの回数を減らすことによって、香りを多く残せるので、夏に冷やして飲んでもきちんと日本酒の味・香りが伝わるようにしたかったんです。
本田) そうなんですね。それ、すごく伝わります! 最初の香りはふんわ りと感じる一方、口に含んでから鼻に抜ける時香りの印象の違いが面白いですね。
脇坂) 日本酒って温度によって感じ方が違うんです。 口の中のわずかな温度の違いでも変化していきますからね~♪
本田) ポイントは、香りと温度の違いですね。「一回火入れ」はそこに意 識して飲むと楽しそうですね。口の中で少し転がすようなイメージで。
今月の野菜は、須賀川のきゅうりです。こちらも”夏らしく”に注目して、瑞々しさとハリのある歯ごたえに意識してレシピを考えてみました。ぜひ、「一回火 入れ」とともにお楽しみください♪
それにしても、すっごく飲みやすいのでぐびぐびいってしまいそうで、ある意味すごく危険なお酒でございます。我が家のは、あっちゅう間になくなってしまい ました(苦笑)
脇坂) 本田さん、本当の酒飲みになるなら「和み水(なごみみず)」をお 忘れなく(笑) 和み水を飲みながらお酒を楽しむのが通ですよ~♪
本田) はーい! 追いつけるよう頑張りますっ!
◎酒造り豆知識
「和み水」とは
お酒とお酒の合間に同量以上の「水」を飲むと、悪酔いせずに楽しむことが出来ます。
・麹米 喜多方産「五百万石」
・掛け米 南会津舘岩産「タカネミノリ」
・四段米 南会津産「ヒメノモチ」
・酵母 「協会701」
・アルコール度数 15度
・容器容量 1.8L 720ml