「大七純米生酛」大七酒造株式会社(二本松市)

今月の日本酒 「大七純米生酛」大七酒造株式会社(二本松市)
生酛の酒造りにこだわって

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福島にゆかりのある方は緑の山肌に浮かび上がる「酒は大七」の看板やラジオから流れるCMソングを懐かしく思い出されるのではないでしょうか。安達太良山 の伏流水が豊富に湧き出る二本松。260年の間、大七酒造はここで酒造りを続けてきました。

「きもと」という言葉をご存じですか。生酛と書きます。お酒造りの用語で、アルコール発酵のもととなる酵母を育てる段階のことを「酛」と言いますが、生酛 はそのやり方のひとつで江戸時代から続く伝統的な方法です。生酛造りでは乳酸菌による乳酸発酵を利用するので近代製法と比べて大変に手間暇がかかります が、できあがったお酒は奥深いコクと抜群のキレがあって、とくにお燗にするとその素晴らしさがよくわかります。私たち大七はこの生酛造りを守り続けていま す。わたしたちが理想とする酒を造るには生酛造りは欠かせないと考えているからです。

私たちはよりよいお酒を造ろうと常に努力を続けておりますが、おかげさまで「大七と言えば生酛、生酛と言えば大七」と言ってい ただけるようになりました。生酛の素晴らしいところは食事を受け止める懐の深さと言いますか、お料理との相性の幅の広さです。和食はもちろんのこと、フラ ンス料理や中華料理などなど、様々な楽しみ方ができます。食材も旬のお野菜や新鮮な魚貝類などあっさりしたものから旨味あふれるお肉料理まで、どんな素材 に対してもその美味しさを引き出しつつ、さらに単なる引き立て役にとどまらない存在感を発揮するとでも言いましょうか。

今回、ご紹介するのは私たちの看板商品「大七純米生酛」です。生酛の良さを味わっていただくにはまずこのお酒をお試しいただきたいと思います。おすすめの 飲み方はやはりお燗ですが、いろいろな温度によるお酒の表情の違いもぜひお楽しみください。 あらゆる工程で手を抜かず、丁寧に、長い年月にわたって受け継がれた伝統の技によって醸される正統的な日本酒だからこそ到達し得る見事な調和。美味しい料 理と美味しいお酒がもたらす素敵な時間をお約束します。

●紹介頂いた方 : 大七酒造株式会社 品質管理部  奥田恵子さん

・使用酒米 五百万石等

・精白歩合 扁平精米69%
・アルコール度数 15度
・容器容量 720ml 1.8L

大七酒造株式会社
福島県二本松市竹田1-66
Tel. 0243-23-0007 / Fax. 0243-23-0008
大七酒造株式会社HP