「特別純米酒」
今月の日本酒 「特別純米酒」
本田) 酒コラム、記念すべき第1回は「特別純米酒」です。
脇さん、まずはどんな特徴のお酒なのか、教えて下さい。
脇坂) 特別純米酒はその名の通り、花泉のなかでも“特別”な酒。
素材はすべて、福島産にこだわっています。酒造りに欠かせない「掛け米」と、「麹」の元となる米はともに、福島県が、酒造りに適した米を作ろうと開発した 「夢の香」という種類の酒米を使っています。酵母も、同じように県が独自に開発したものなんです。
また、うちの酒造りの特徴は何といっても「もち米四段仕込み」にあるんですが、そこにも、南会津産のもち米「ヒメノモチ」を使っているんですよ。
本田) どれも福島で出来たもので作られているんですね。
ちなみに脇さん、「もち米四段仕込み」って何ですか?
脇坂) 日本酒を作るさいには、通常3回にわけて蒸した米と水、それに麹を仕込みます。
花泉ではその後でさらにもう1回、もち米を仕込んでいるんです。これを4段目というわけです。お酒の旨味・厚みになるんですよ。
本田) なるほど。そんな秘密があったんですね。
本田) ところで脇さん、グラスに注いだ時のベリー系の香りはどこからやってくるのでしょう?ふんわりと柔らかい甘みと、ゆっくりとした余韻が心地いいお酒でし た。
脇坂) それは酵母によるんです。日本酒の香りは大きく分けて、イチゴ系の香りがする「カプロン酸エチル」と、バナナもしくはメロンの香りがする「酢酸イソアミ ル」の2つがあります。
「特別純米酒」は前者で、他の花泉のお酒は後者なんですよ。
本田) そうなんですね! だからこそ花泉のなかでも“特別”。この酒ならではの味わいが生まれているんですね。
そこで今回は、そのさわやかな甘みのある香りに合わせて、かぶの料理を提案させてもらいました。この時期の福島のかぶは、程よい食感と控えめな甘さがあっ て、生でも煮てもおいしいんです。
最初の料理は、ベリー系の香りに合わせた「か ぶといちごのサラダ」。いま流行りの、塩麹を使ったドレッシングをかけて・・・。ぜひ味わってみて下さい♪
脇坂)おお、聞いただけで美味しそうな気分になってきました・・・。早く 食べたい!
本田)脇さんも是非、作ってみてくださいね♪
・麹米・掛け米 福島県開発酒造好適米 只見産「夢の香」
・精米歩合 60%
・四段米 南会津産「ヒメノモチ」
・精米歩合 65%
・酵母 福島県開発酵母 「煌き酵母」
・アルコール度数 15度
・容器容量 1.8L 720ml