「かすみ口万 (しもふり口万)」
今月の日本酒 「かすみ口万 (しもふり口万)」
脇坂) さて今月もお酒の話をはじめますか、本田くん! 今月紹介する 「かすみ口万」は、毎年春と秋に販売しているお酒です。生原酒のうすにごり酒ですね。
本田) 「かすみロ万」とは、またなんともドラマチックな名前ですねえ。 そして「うすにごり」という表現も美しいですね。雪が舞う南郷の、静かな冬景色が思い浮かぶようです!
脇坂) 1月から引き続きのにごり酒ですよ。確かに見た目も名前も綺麗な んですが、原酒生酒なのでアルコール度数はちょっと高めになってます。甘くて飲みやすいから危険な酒かも・・・(笑)シュワシュワとした舌触りも楽しめる と思います。
本田) 確かに見た目はかわいらしいのに、口にするとちょっときつめの印象ですね。そして、おっしゃる通り、シュワシュワしている! このシュワシュワは一体どこ からくるんですか?
脇坂) その秘密は、酵母が作る自然の炭酸ガスです。麹菌はお米のデンプ ンを糖に変えて、その糖を酵母が食べる時にアルコールが発生するんですが、その時に一緒に炭酸ガスも発生しているんですよ。 生酒は加熱処理をしていないから「生」酒と呼ばれるものなので、瓶詰めされたあとも酵母が生き続けています。そのうえ「うすにごり」になると、酵母のエサ になるもろみも一緒に入っているので発酵が続く。それによってシュワシュワとした炭酸ガスが生まれているんですよ。
本田) なるほどなるほど、いわば酵母が育っている証のシュワシュワなのですね。生酒の酵母がおいしさの素になってるってことでしょうか。なんだか命の恵みを感じ ながら、じっくりと味わいたいお酒ですね。
脇坂) ぜひぜひ。先月のにごり酒よりも「おり」が少ない分、口当たりが軽いかもしれませんね。
本田) 炭酸もありますしね。では知識がちょっと増えたとこでもう一口・・・。ゴクリ。あっ、確かに口当たりが優しいですね。米の香りがふん わりとし て、アルコールは少し高め。でも最後にアルコールが来る感じですね。これはどんな飲み方がオススメなんですか? 脇さん。
脇坂) うすにごりは、外国の方にも勧めやすいお酒なんですよ。なので私 のオススメはワイングラスですかねー。 すこし、炭酸で割ってもいいと思いますし。今回のお酒は「かすみ口万」という名前で2月に販売していますが、10月には「しもふり口万」として、さらに熟 成させたものをお出ししています。熟成が進むとよりまるく甘くなりますよ。
本田) 何!!「しもふり口万」ですと! いかにも美味しそうな魅力的な名前・・・。熟成というのにも惹かれます。これは秋のお楽しみですね。 ところで外国の方々に勧めやすいというは、このお酒のどこらへんがウケているのですか?
脇坂) 外国の方々には、まず、にごっている点、そして甘さがいいみたい です。炭酸があることもそうですが、あまりこれまでにそういった日本酒に出会ったことがないせいか驚かれる方が多いですね。秋出しの熟成も、本当にオスス メですよ~。
本田) 外国の方々にもある程度日本酒のイメージが定 着してきたからこその、「かすみロ万」の人気なんですね。この日本酒の奥深さがもっともっと世界に伝わると嬉しいですよね。秋の「しもふり口万」も本当に 楽しみにしています! ところで皆さん、今月で「ふくごはん」も丸1年。このコーナーでは僕自身、日本酒について1から知ったことで、その奥深さを身にしみて感じました。皆さん はどうでしたか?? まだまだどっぷりハマっていきたいと思うので、お付き合い願いますね~(笑)。
脇坂) なにやら挑戦的なコメントですね、本田くん(笑)。実は花泉の酒 もこのコーナーでほぼ1巡しちゃったんですが、本田くんの日本酒フリークに拍車がかかるよう、こちらも酒造りに酒コラムの話題にと腕を磨きますよ~乞うご 期待!
・麹米 ・掛け米 非公開
・四段米 南会津産「ヒメノモチ」
・酵母 福島県開発酵母 「うつくしま夢酵母」
・アルコール度数 18度
・容器容量 1.8L 720ml